第79章

秘書からの連絡を受け取ったのか、手にしていたカメラを元の位置に戻した。

藤原隆は携帯電話を置くと、鈴木美咲へと視線を向ける。その探るような眼差しは、まるで彼女の魂まで見透かそうとするかのように鋭かった。

鈴木美咲は居心地の悪さを感じて視線を返し、問いかけた。

「藤原隆、私の顔に何かついてますか?」

「鈴木美咲、お前は五年前、一体……」

隆の瞳が僅かに翳(かげ)り、なおもその件について執拗に逼迫してくる。

美咲は表情を冷たく硬化させ、露骨に不快感を示した。

「藤原隆、もう何度も言ったはずです。あなたが言う『五年前』が何を指しているのか私には分かりませんし、なぜそこまで私に認めさせ...

ログインして続きを読む