第6章

 私はミラに、行けと言った。

 彼女が電話をかけてきた翌朝、ミラは台所に立っていた。まだ携帯を握りしめたまま、まだ、私が何か用でも言い出すのを待っているみたいな顔で。私は彼女に紅茶を一杯いれて置き、それから言った。「あの人は八か月かけて、あなたの指輪を作ってた。行きなさい」

「ヴェラ――」

「本気よ。行って」

 彼女はその日の午後に出ていった。車が出ていくところは見なかった。

 二日後、外の小径で砂利が鳴る音がした。

 私は庭で洗濯物を干していた。彼が来るのがわかったけれど、振り向かなかった。籠から次のシャツを取り、洗濯ばさみで物干し縄に留める。

「ヴェラ――」

「終わりよ」...

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