第112章

「望月琛の顔を立てなければ、例え前田南が頼んできたとしても、俺は来なかっただろう」

「病気なんかじゃない」前田南は冷たい表情で二人に告げた。

村野池はまったく信じていなかった。

「病気かどうかは検査してみないとわからないだろう。俺は医者だ、お前より詳しいに決まってる」

「だから、病気じゃないって言ってるでしょ。自分の体調が悪いかどうくらい、自分でわからないわけ？」前田南は心の中の怒りを必死に抑えた。

この二人は本当に「尊重」という言葉の書き方すら学んでいない。

彼女がこのような態度を見せれば見せるほど、村野池は今日来て正解だったと確信した。

彼はソファに座り、心理カウンセリング...