第120章

前田南は手を振った。「もう言わないで」

「一体どうしたの?誰かにいじめられたの?」村上美咲は心配でたまらない様子だった。

前田南は恥ずかしそうに頭をかいた。

「言うと恥ずかしいんだけど、自分の不注意で転んじゃって、それで……」

「大丈夫なの?呼び出したりして悪かったかな?」村上美咲の潤んだ大きな瞳には後悔の色が満ちていた。

「大丈夫だよ、医者も問題ないって」前田南は首を振った。

村上美咲はこれ以上危険なアトラクションに誘うのはやめて、ただぶらぶら歩き回り、飲み物の店でドリンクを注文し、二人で座って飲みながら話をした。

「南姉、好きな人とかいる?」

前田南はちょっと戸惑った。

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