第185章

前田南は淡々と笑った。「私、彼のこと好きじゃないの。男って、手に入らないものほど素晴らしく思えて、手に入れたら急に大切にしなくなるものでしょ」

「つまり、彼にとって手の届かない遺憾だというの?」斎藤奈々は腕を組んだ。

「そうよ。人生は前に進むものだし、今好きな人のことだって、いずれ忘れてしまうわ。もしあなたが私を傷つけるなら、死んだ高嶺の花のダメージは相当大きいと思うけど」前田南は軽く微笑んだ。

前世では、彼女も高嶺の花の苦しみを味わい尽くした。

何を言っても何をしても、望月琛の目には大塚雪見にはかなわなかった。

もちろん、大塚雪見のせいで、彼女はあんなに悲惨な目に遭ったのだ。でも...

ログインして続きを読む