第219章

 一体これはどういう状況なのだろうか。

 望月琛の深淵な眼差しは、ずっとククの上を彷徨っていた。

 その視線に気づいた前田南は、さっと身を乗り出して彼の視界を遮った。

 先生がルールを説明し終え、開始を告げる。

 子供たちが保護者と手を取り、会場に入場し始めた。

 前田南はこういった親子運動会に参加するのは初めてだったが、ククの子供時代に悔いを残させないため、できる限り自分の力で頑張ろうと決めていた。

 しかし、いくつかの種目は前田南にとってかなり骨が折れるものだった。

 対照的に、隣の望月琛は例の子を連れて、驚くほどスムーズに競技をこなしている。

 前田南は少し腹が立ってき...

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