第275章

「誰が冗談なんか言ってる?」伊藤は真顔になった。「これ以上ないくらい本気だ」

 高田社長はまだ信じられない様子だった。

 隣の男に言われて、ようやく事態を飲み込んだ。「高田くん、君と伊藤は本当に仲がいいんだな。二人して同じ穴に落ちるとは!」

 高田社長は頭が嗡と鳴るのを感じた。

 伊藤は首を振りながら彼に告げる。「これは望月社長が直々に俺に言ったことだ。嘘のはずがないだろう? 帰ってからわざわざ調べたんだが、数年前に前田南と望月社長のゴシップが流れてたんだよ」

 インターネットに記憶はなくとも、痕跡は残る。改めて調べてみれば、もはや疑う余地などなかった。

 望月寧々と望月時也が前...

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