第362章

翌朝。望月琛は誰よりも早く出社し、リゾート開発予定地への視察に向けた最後の準備を整えていた。

今回の視察は、S市との提携プロジェクトにおいて極めて重要な意味を持つ。

今後の協力方針、ひいては両者の永続的な関係性を左右すると言っても過言ではないからだ。

そこへ、大谷森が分厚い書類の束を抱えて社長室に入ってきた。

「社長、関連資料はすべて揃いました。山下グループの方々も、すでに下でお待ちです」

望月琛は頷くと、上着を手に取り立ち上がった。そのまま大谷森を伴い、エレベーターで階下へと向かう。

車のボンネットの前に立ち尽くしていた山下清音は、望月琛の姿を認めると、慌てて鏡を取り出し髪を整...

ログインして続きを読む