第57章

「コンコンコン」

寮の外から突然ノックの音が聞こえ、大塚雪見は急いでパソコンを閉じ、ドアを開けに行った。

ドアの前に立っていたのは今井美香だった。

彼女は最速で寮に入り、ドアを閉めた。

「今みんなが前田南のことをボロクソに言ってるのに、彼女は何の反応もなくて、静かにしてるの。これって異常じゃない?」

「ねえ、彼女って何か悪だくみをしてるんじゃないかな?」

大塚雪見は軽蔑的に笑い、前田南など眼中にない様子だった。

彼女は自分の席に戻り、

「あのね、あなたが考えすぎなだけよ。前田南のカンニング問題はもう確定事項でしょ。学校も彼女を処分したし、今さら彼女に何ができるっていうの?」

...

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