第92章

若さは違うね、肌はつるつるで柔らかい。

数回触っただけで、田中威はすっかり気持ちが高ぶっていた。

「学生だって聞いたけど、こんな風に死ぬのは勿体ないな。俺に付いてくれば、殺さずに済むんだがな」

前田南は死にたくなかったが、こんな男と関わるのはもっと御免だった。

浮気相手になるくらいなら、いっそ死んだ方がましだ。

「田中、何やってるの?」船室から出てきた小林忆が不満そうな顔で彼を見た。「船長が帰港する準備をしてるわ。さっさと動きなさいよ」

田中威は前田南を手に入れられなかったことを残念に思ったが、小林忆の前で前田南への下心を口にするわけにはいかなかった。

彼は先ほどと同じように前...

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