第6章
寝返りを打ち続け、ほとんど眠れない夜を明かした私は、疲れ切った体を引きずって学校へ向かった。
臨時教員として教壇に立った一日は、異様に長く感じられた。上の空で授業をしながらも、頭の中はあの『桜坂』計画のことでいっぱいだった。理性ではこれが正しい選択だとわかっている。だが心の奥底では、ある声が問いかけていた――私は本当に彼を救っているのか、それとも、私たちの思い出を裏切っているだけなのではないか、と。
終業のベルが鳴り響くと同時に、私は逃げるようにあの教室へと向かった。
見慣れた机に座り、震える指でその天板をなぞる。返事は来ているだろうか。沙織と健太の接触は、うまくいっているだろ...
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3. 第3章
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