第9章

再び映像が再生され、私の全身の血が凍りついた。

朋美が、廃倉庫のような場所で金属製の椅子に縛り付けられていた。口はダクトテープで塞がれている。だが、拘束され無力な状態にあっても、その黒い瞳は鋼さえ溶かしてしまいそうな怒りに燃えていた。まるで森田がどれほど苦しんで死ぬかを計画しているかのように、カメラをまっすぐに見据えている。

『それでこそ、朋美おばあさんだわ』

「山口家の帳簿と、その老婆を交換だ」森田の声は満足感に濡れていた。「時間は十二時間。さもなくば死ぬ。それから……水原絵里も連れてこい。あいつにはまだ片付けるべき用事があるんでな」

スクリーンが暗転した。

私が瞬きする...

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