第13章 視界

だが、若林星奈は理由を聞かなかった。聞く気にもなれない。

少なくとも会社なら人目がある。西野直人も、そうそう無茶はできないはずだ。西野社長としての体面くらいは、まだ気にしているだろう。

星奈はひと言も発さず、黙って彼のあとをついていった。

専用エレベーターで最上階へ。たどり着いたのは社長室だった。

「今日から、お前はここで働け」

「働く?」

星奈は思わず目を見開く。

「あなたが、そんな親切なことを?」

その言葉に、西野直人は振り返った。見下ろす視線は冷え切っていて、声音には有無を言わせぬ強さがある。

「余計なことは考えるな。じいさんに、お前へ仕事を回せと言われただけだ。何を...

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