第14章 無作法な!

「キチガイ……!」

木下静香がぼそりと吐き捨て、顔色を青くしたり白くしたりと忙しい。

結局、火の粉が自分に降りかかるのが怖かったのだろう。黒い影が現れるより先に、仲間の腕を掴んで、ばつの悪そうに引き上げていった。

――西野直人が自分のために出てくるはずがない。

それも分かっているから、たいして気にもしていない。

近づいてくる足音が耳に入っても、木下静香は少しも慌てなかった。

それどころか、スプーンを取り直し、声色だけは水みたいに甘くなる。

「優斗、怖くないよ。ほら、ご飯の続きしよ」

若林優斗は彼女の胸元に縮こまり、小さな手で服の裾をぎゅっと掴んだまま。大きな瞳には、まだ怯えが...

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