第63章 人目もはばからず妻を追いかける

「三年前――俺、西野直人は人に騙されて、俺の妻を、そして俺の息子を、自分の手で傷つけた。あれはこの人生でいちばん最低で、いちばん許されないことだ」

「彼女に許してもらおうなんて思ってない。だが今日から、俺の残りの人生の目的はひとつだけだ。彼女に負わせたものを、一円たりとも欠かさず返す」

会場がどよめいた。

弁明じゃない。公開の場での謝罪だ。――そして、公開の場での「追いかけ」だ。

西野グループ社長が、何十台ものカメラの前で、自分の非を口にし、妻に詫びた。

雲城のビジネス界では、前代未聞。

言い切ると、西野直人はマイクを置いた。ボディーガードに囲まれ、演台から大股で降りていく。

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