第71章 心が揺らぐ?

車で二十分ほど走ったところで、若林星奈は降り、ふっと見上げた。

ミューズ高級スタイリングサロン。雲城では名の知れた店で、芸能人がイベント前に駆け込むことも多い――そんな噂の場所だ。

まだ入口に足を踏み入れる前に、スマホが震えた。

西野直人。

「今夜の打ち上げ、優斗も連れて来い」

若林星奈の足が止まる。

「無理。優斗はまだ三歳よ。ああいう場は人も多いしうるさい。耐えられない。前に公園で小原緑に怯えたの、忘れたの?」

受話口の向こうが、数秒沈黙する。

「忘れてない」西野直人の声が低く落ちた。「でも今夜は違う。林田岳は入った。山川心菜は追い出した。このパーティーは、全員に見せつける...

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