チャプター 53

ダンテ・カステリ

眠っている俺の可愛いウサギを見つめながら、喉の奥から低い笑いが漏れた。その顔は穏やかで、寝息は静か、唇はわずかに開いている。

あまりにも無垢。

あまりにも脆い。

そして何より、あまりにも……俺のものだ。

俺は床に座り、ベッドに背を預けて壁を見つめた。思考は満たされぬ渇望のように渦巻き、常に奴のところへと回帰していく。

イライジャは心から俺を信じている。

俺を信頼しているのだ。

自分が操られているなどとは、一瞬たりとも疑っていない。

奴はあまりにも純粋すぎて、そんな可能性すら頭をよぎらないのだろう。

真実を告げること――俺が奴を世話する時に抱く本当の感情を晒すこと―...

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