チャプター 56

イライジャ・ヴォーン

数分間、僕たちは互いの温もりを楽しみながら、静寂に身を委ねていた。

彼の掌が、気だるげに僕の背中を優しく撫でている。

「あ、聞くのを忘れてた……。ダンテ、何歳なの？」

彼は面白そうに片眉を上げた。

「四十だ」

驚きで僕が目を丸くすると、彼は声を上げて笑った。

「なんだ？　俺じゃ年寄りすぎるか、ウサギ？　お前はいくつだ？」

彼は口の端を吊り上げ、からかうように言った。僕は瞬きをして、まだその事実を消化しようとしていた。

「二十歳だよ」僕は小さくため息をつきながら答えた。「ただ……四十だとは思わなくて。どう見ても、せいぜい三十七くらいにしか見えないから」

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