チャプター 87

イライジャ・ヴォーン。

彼は俺を仰向けに寝かせ、一瞬その身を重ねてきたが、すぐに上体を起こすと俺を自身の膝の上に引き上げ、跨らせた。彼の手が俺の太腿を掴み、その瞳は一瞬たりとも逸らされることなく、俺をじっと見つめていた。

俺は渇望に突き動かされるように素早く腰を動かした。その視線には、俺の心全てがさらけ出されていた。

「愛してる、ダンテ……」俺は喘ぎながら伝えた。体はもう限界に近かった。

「俺も愛してる。お前のすべてを愛してるよ、イライジャ。何もかもだ」

突き上げが、より激しさを増していく。

世界が回っていた。

それは快楽による眩暈のせいだけではない。この行為が意味するものの重み...

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