チャプター 96

イライジャ・ヴォーン

「厳密に言えば、俺たちはまだ『中』にいるわけだからな。奴らが監視しているのは、船や出入りの記録だけだ。だが、俺たちが本当に出る時は……痕跡一つ残さないさ」

俺はゆっくりと頷き、彼の腹の上に座ると、愛おしげに彼を見つめた。

「じゃあ……もうすぐここを出るんだから、最後にもう一度、ここで愛し合わない?」俺はいたずらっぽい笑みを浮かべてからかった。

彼は声を上げて笑い、その振動が俺の体の下から伝わってくる。

「俺の夫は、ますます淫らになっていくな」

俺は彼の素肌の胸に指を滑らせ、悪戯っぽく微笑んだ。

「全部、愛しいあなたのせいだよ」

俺はゆっくりと彼の膝から下り...

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