第163話

私はほとんど眠りかけていたが、何かが気になっていた。起き上がってリビングルームに向かう。玄関の窓から外を覗き、シェルビーの車があるはずの空っぽのスペースをぼんやりと見つめる。くそったれ。彼女はまた善行活動のたわごとをしているのだ。私は一瞬で目が覚め、怒りがこみ上げてきた。それと同時に、ひどく心配にもなった。

十分もしないうちに私はセントラル・アベニューに向かって車を走らせていた。金さえ払えばあらゆる男の欲望を満たしてくれることで知られる町の一角に着いたのは十一時半だった。ここにいるのは決して高級エスコートではない。ほとんどの女性は薬物依存やその他様々な問題を抱えている。

最初の一周では何も...

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