第121章

松本桜がすぐさま言い返した。

「ちょっと、順番ってものがわからないの? そのネックレス、あたしが先に目をつけたんだから!」

夏目夕子はぱちりと瞬きをし、笑みを滲ませたまま小林絵里へ視線を向ける。

「それは小林嬢に伺うべきでは? 順番って、ご存じですか?」

「……あんた!」

松本桜の堪忍袋の緒が切れた。夏目夕子の鼻先を指さし、吐き捨てる。

「ここで何ぶってんのよ。うちの絵里があんたなんか欲しがるとでも? 嫌味言ってないで、いつまでも離婚しないで引きずってる男のほうに行きなさいよ!」

夏目夕子は笑みを崩すどころか、むしろ深めた。

「松本嬢、まだご存じなかったんですか? 和也が小林...

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