第173章

翌日。

 会社に出勤した小林絵里を待ち受けていたのは、今日も山のような雑務だった。しかし、彼女が腹を立てることはない。ただひたすらに、昼休みが来るのを心待ちにしていた。

 昼になると、高川寒彦から電話がかかってきた。検査結果が出たこと、そしてその報告書を彼女のメールアドレス宛に送信したことを伝える内容だった。

「ありがとうございます、寒彦さん!」

 絵里の声は弾んでいた。

 対する寒彦は、ゆっくりとした口調で言った。「どの野菜に毒が入っていたか分かったところで、どうなる? お前の身の潔白を証明できるわけじゃあるまいし」

 絵里は表情を引き締め、言葉を返す。「そうですね……でも...

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