第268章

「へえ、賢いじゃない」

古川修一「……」

「ま、あんたの口から気の利いたことなんて一言も出てこないのは分かった。でも安心しろよ。おまえが言った件、必ずやってみせる!」

坂田和也が短く返し、「そっちも見張っとけ」

古川修一「任せろ。問題ねえ」

「よし」

……

小林絵里が身支度を整えて部屋を出ると、ホテルが朝食を運んでくれていた。

二人で軽く腹を満たし、その足で病院へ向かう。

坂田和也は腕の包帯を替え、注射も受けなければならなかった。

絵里は直視できない。ガーゼが外された瞬間、反射的にぷいと顔を背ける。

坂田はそんな彼女をじっと見つめた。薄い唇が、一本の線になる。

病院を...

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