第289章

「くそっ……こいつら、何者だ?」

 本田智は、鬼気迫る勢いで突っ込んでくる連中を見て顔色を失い、踵を返して逃げようとした。

 だが、ドアを開けた瞬間――

 ドゴッ!

 身体が蹴り飛ばされ、廊下へと放り出される。

 背中が壁に叩きつけられ、そのまま床へ転がり落ちた。鈍い音が響く。

「ぐっ……」

 次の瞬間、喉の奥から込み上げた血を吐き出し、苦痛に顔を歪めたまま床の上でのたうち回る。

 小林絵里はすでに起き上がっていた。何が起きているのか理解しきれないまま、それでも全身から殺気を放つ庄司一火を見て、胸の奥に小さな安堵が灯る。

 ――助けが来た。

 庄司一火が前へ出ると、本田智...

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