第300章

「松本幸雄」

 坂田和也が名を呼んだ。

 松本幸雄は反射的に頭を下げ、口をつぐむ。

 坂田社長……。

 口があるのは言葉を発するためでしょうに。

 社長が言わなきゃ、小林嬢に伝わるはずもない。

 秘書として、胃がキリキリする!

 小林絵里はぱちりと瞬きをして言った。

「つまり……あなたと一緒に行けば、安全だってことですか?」

 坂田和也は淡々と言い捨てる。

「少なくとも、死にはしない」

 小林絵里「……」

 松本幸雄「……」

 言い方というものがあるだろ!

 小林絵里は立ち上がった。

「……考えます」

 その瞬間。

 バンッ!

 坂田和也が手にしていた書類...

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