第308章

松本桜がぼんやりと目を覚ましたとき、左肩が自分のものじゃないみたいだった。

痛い。

ものすごく痛い。

……麻酔は?

あのクソ野郎、麻酔すら使わせなかったってわけ?

どれだけ人を酷使すれば気が済むんだ。

松本桜はひゅっと息を吸い込み、痛みに涙が滲んだ。

古川修一は彼女が目を覚ましたのを確認すると、落ち着いた声で言った。

「今は動くな。傷が痛む」

松本桜はベッドにうつ伏せのまま、心身ともにぐったりしていた。

顔色は真っ青で、今にも消え入りそうな声を絞り出す。

「古川社長……不躾に伺いますけど、いったいどんな悪事を働いたんですか。どうして刺されるような目に遭うんです?」

不...

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