第352章

坂田和也は写真をつまむ指先が、わずかに震えた。

脳裏に浮かんだのは、青さの残る、それでいて端正な顔立ち。少年は意気揚々として、未来の夢を語ってくれた。

――じゃあ、あの頃の俺は?

坂田南に向けるのは、冷たい顔ばかりだった気がする。

冷たい言葉で、あいつの幻想を突き破って。

それでも坂田南はまるで気にせず、変わらず笑って俺を見て、肩に手を置いた。

「カズ。俺にはそれでいいけどさ。将来、彼女ができたらダメだぞ。そんなことしてたら、彼女に逃げられる」

その手を、俺は振り払った。

「俺がどうしようが、お前に関係ねえだろ」

そして背を向けた。後ろで坂田南が俺の名を呼んでいたのに、振り...

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