第362章

それを聞いた瞬間、坂田和也の表情から熱が消えた。

彼女は思っているのか。俺が他人を使って佐川吉平を脅し、従わせると。

彼女の中で、俺はそんな男なのか。

声色までひやりと落ちる。

「小林絵里。お前はいつも、俺が信じてくれないって言うよな……じゃあ、お前はどうなんだ?」

「え?」

小林絵里は息をのむ。だが、坂田和也は答えをくれることなく、ぶつりと通話を切った。

切断された画面を見つめたまま、小林絵里は無意識にぱちぱちと瞬きをする。

――どういう意味?

彼は、彼女が彼を信じていないと言いたかったのか。

小林絵里は唇をきゅっと結んだ。自分が間違っているとは思えない。

彼がしてき...

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