第369章

小林絵里はそれを聞いた瞬間、顔色をさっと曇らせた。間髪入れずに問いかける。

「おじさん、今どこにいるの?」

佐川のおっさんは、どこか疲れた声で答えた。

「安町に帰るところだ。家をずっと放ったらかしにしてたから、様子を見に戻らねえとな」

小林絵里はそっと目を閉じ、それから言った。

「わたし、送ります」

けれど佐川のおっさんはすぐに制してくる。

「いい、いい。大した荷物もねえし、わざわざ頼るのも悪い」

それでも小林絵里は引かなかった。

「おじさん。佐川海斗さんにずっと会えなかったの、わたしのせいです。おじさんが行くなら、せめて見送らせてください」

結局、佐川のおっさんは折れた...

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