第394章

坂田和也と小林絵里は、1時間ほどで駆けつけた。

 小林絵里は階段を勢いよく駆け上がり、浴室に飛び込む。松本桜はまだ浴槽の中にいた。張られているのは冷え切った水。彼女は、魂が抜けたみたいな顔で座り込んでいる。

「桜?」

 小林絵里は指先を小さく震わせながら、そっと彼女の頬に触れた。

 松本桜はまぶたを持ち上げて絵里を見上げ、泣き笑いよりもひどい笑みを浮かべる。

「絵里……死ぬところだった。あのクズども、ぶっ殺してやる!」

 小林絵里はそばのバスタオルを引き寄せ、桜の身体を包んだ。

「歩ける?」

 松本桜はうなずく。

「薬、もう切れた」

 小林絵里の整った瞳に、ひやりとした光...

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