第395章

 車内。

 坂田和也は小林絵里に視線を向けた。彼女の表情はまだ晴れないまま。だから、そのまま切り込む。

「どうした? 捕まえたのは俺じゃない。だから気に食わないのか?」

 小林絵里は顔を上げ、まっすぐ彼を見る。

「……桜の言ったこと、正しいと思わないんですか?」

 坂田和也は薄い唇を皮肉めいた形に吊り上げた。

「お前にとっては、あいつの言うことは全部正しいんだろ」

 小林絵里は言葉を失う。――否定できない。

 松本桜は最初から、彼女のことを思って動いてくれていた。

 坂田和也はポケットから煙草を一本取り出し、火をつける。鋭い目を細め、煙を吐きながら言った。

「離婚なんて考...

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