第396章

「うわぁ……」

 松本桜はその光景を目にした瞬間、思わず声を漏らした。顔色がさっと青ざめる。

 脇で見ていた古川修一が鼻で笑う。

「この程度でビビるのか?」

 後ろでは、坂田和也が小林絵里の目を手のひらで覆っていた。胸板が彼女の背中にぴたりと張りつき、低い声が耳元に落ちる。

「見るな」

 だが絵里はその手をそっと外し、落ち着いた目でそこにいる三人を一瞥してから、松本桜へ視線を移した。

「大丈夫ですか?」

「わ、わたしは……平気。うん、まだ歩ける……」

「……」

 絵里は桜の身体を支えるように腕を回す。

「じゃあ、先に出ましょう。ここはあの人たちがいますし、こんな連中……...

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