第401章

小林絵里は、表情をこわばらせた。

  松本桜がいきなり爆発するように言い返す。

「なに見てんのよ? 絵里の手をつかんだのは、そっちが勝手に近づいてきたからでしょ! 自分のこと何様だと思ってんの? 絵里はあんたなんか知らないんだから!」

  江口寧々の目から、ぽろりと涙が落ちた。

「和也……痛いよ……」

  坂田和也の顔色は重く沈んだ。彼は警備の男を呼び入れる。

「江口さんを病院へ」

  男はすぐに近づき、江口寧々を抱き上げると、足早に外へ運んでいった。

  江口寧々は抵抗するそぶりを見せない。ただ、伏せがちの瞳の奥に、ひやりとした冷たさが一瞬だけ浮かぶ。

  坂田和也は小林...

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