第426章

松本桜は、胸の奥の空気がどんどん薄くなっていくのを感じていた。息が……吸えない。もう酸欠寸前だ。

古川修一がようやく唇を離す。軽く――ほんの少しだけ噛まれて、鼻で笑われた。

「俺を煽ってんのか? お前、息継ぎもできねーの? 雑魚」

松本桜「……」

乱れた呼吸。激しいキスで潤んだ瞳が、うっすら赤く染まっている。歯を食いしばり、桜は吐き捨てた。

「自分のキスが上手いとでも思ってんの? あんたとキスするくらいなら、犬に噛まれてるほうがマシ!」

艶っぽい空気が、ぴしりと凍りついた気がした。

古川修一が目を細める。息の整わない彼女をじっと見下ろし――次の瞬間、また唇が落ちてきた。

「今...

ログインして続きを読む