第457章

小林絵里はとっさに唇を噛みしめた。真っ赤に腫れた目に怒りを滲ませ、身の下のシーツをぎゅっと掴む。

坂田和也の胸の奥が、きゅうっと詰まるように痛んだ。彼は上着を脱ぎ捨てると、そのまま身をかがめる。

小林絵里はなおも拒んだ。けれど、どれだけ身をよじって避けても、坂田和也は意に介さない。彼女の意思など、端から重要じゃないと言わんばかりに。

そう思った瞬間、胸の中に冷たいものが広がった。

わたしは、いったいどんな男を愛してしまったんだろう。

裂けたところに軟膏が塗られ、痛みに小林絵りの身体がびくりと縮む。思わず息を呑み、ひゅっと冷気を吸い込んだ。

坂田和也は薄い唇をきゅっと結び、手早く塗...

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