第461章

小林絵里ははっとして、手にしていた小さなケーキをふわりとした絨毯の上に落とした。

「……何するの?」

身体が強張る。彼が一歩寄っただけで、痛みがじわりと押し寄せてくる。

――どれだけ、身体が彼に過剰反応しているか。嫌というほどわかる。

寝室は真っ暗だった。

互いの顔は見えない。それでも小林絵りには、坂田和也の陰った視線が自分を縫い付けるように注がれているのがわかった。熱い息が、はっ、はっと頬にかかり、強引な気配が覆いかぶさってくる。

嫌だ。

完全に支配され、逃げ道のない感覚。胸の奥までぎゅっと締めつけられて、息が詰まる。

「坂田和也、こんな時間に何を――」

言い終えるより先...

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