第468章

病院を出ると、坂田和也は彼女に視線を向けた。

「考えすぎるな。あいつはこの二年分の記憶が抜けてるだけだ」

小林絵里は彼を見上げ、たずねる。

「もし……おばあさまが、夏目夕子さんと結婚しろって言い張ったら?」

坂田和也はじっと、深く彼女を見据えた。

「小林絵里。その考えは捨てろ。俺はお前と離婚しない」

小林絵里は胸の奥でこっそりため息をつき、言葉を選ぶように口を開く。

「でも……離婚って、別に悪いことじゃないと思います。わたし……」

「黙れ!」

坂田和也は苛立ちを隠さずに睨みつけた。

「俺の言ってることがわからないのか? もう一度でも離婚なんて口にしたら、閉じ込めてやっても...

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