第470章

坂田お婆さん「どうして誰かがお前を害する必要があるんだい? それはお前の憶測にすぎないだろう」

「ふん」

坂田和也は喉の奥で低く笑い、言葉を継いだ。

「婆ちゃん。目が覚めたばかりで記憶もない人間が、ひとりで勝手に大通りまで出ると思うか? 俺が住んでたところの介護士は? みんなどこへ行った?」

坂田お婆さんは黙り込む。

坂田和也はさらに畳みかけた。

「あのときは彼女が助けてくれて、家まで連れて帰ってくれた。彼女がいなかったら、今日、婆ちゃんは俺に会えてない」

坂田お婆さんは小林絵里を一瞥し、ふいに言った。

「本当に悪気がなかったかどうか、今はまだ決めつけられないよ。万が一、お前...

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