第471章

坂田祖母が、死を盾に迫ってきた。

  坂田和也の表情が、すっと陰る。

  夏目夕子が駆け寄り、泣きながら言った。

「坂田お婆さん、そんなこと言わないでください……。なによりお身体が大事です。まず検査に行きましょう? ね?」

  坂田お婆さんはほっとしたように夕子を見つめる。

「夕子……本当にいい子だね。坂田家は、あんたに借りがありすぎる。わたしが何もしないままじゃ、死んでも目を閉じられないよ」

  夏目夕子は、声も出せずに涙をこぼした。

  場は一瞬で、どうにも動かない空気に沈む。

  和也が首を縦に振らないかぎり、坂田お婆さんの顔色はみるみる悪くなっていく。視線は和也に釘づ...

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