第488章

松本桜は歯を食いしばって叫ぶ。

「覚えてなさい!」

  松本桜は胸の奥に溜まった濁った息をふっと吐き出し、すぐさま口を開いた。

「絵里、わたし、もう残って一緒にいられないの。ひとりで寂しくない? 男でも用意してあげようか。須藤星皓とか、どう?」

  小林絵里は彼女の頭をぽんっと押した。

「安らかに逝ってらっしゃい」

「うぅぅ……!」

  ……

  古川修一の住まいは、楓の苑からそう遠くない。

  松本桜が歩いて二十分もすれば着いた。

  インターホンを押し、死人みたいな無表情のまま古川修一を見据える。

  古川修一は眉をつり上げた。

「こんな真夜中に、なんだその幽霊み...

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