第515章

須藤星皓は眉をひそめて言った。「どんなに大事な用事でも、自分の妻の命より大事なものなんてあるのか?」

小林絵里はそれ以上この話を広げたくないのか、さっと話題を変える。「傷口は水に濡らしちゃだめです。帰ったら、できるだけあっさりしたものを食べて。感染したら困るから」

須藤星皓は彼女をじっと見つめ、話をそらしたのだと悟る。だからそれ以上は何も言わなかった。

車はすぐに楓の苑の入口へ着いた。降りると、須藤星皓は小林絵里の後ろについて中へ入っていく。

「ここで大丈夫。先に帰ってください」小林絵里が言う。

だが須藤星皓は首を横に振った。「だめだ。家の前まで送らないと落ち着かない」

顔に出る...

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