第526章

松本桜は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながら、小林絵里を睨むように見た。怒りもある。けれど、それ以上に胸が痛むのが隠せない。

小林絵里も目尻を濡らし、鼻をすすってから言った。

「ごめんね。心配かけちゃった」

松本桜はティッシュを一枚引き抜き、勢いよく鼻をかむ。くしゃりと丸めてゴミ箱へ放り込み、言った。

「よし、謝罪は受け取った。で、今度は何があったの?」

一拍置いて、口の端を引きつらせるように笑う。

「何が起きても、今回はあたしが絵里の味方だからね。たとえ坂田和也と子どもを十人だろうが八人だろうが作っても、もう文句言わない」

小林絵里の口元がぴくりと引きつった。さっきまでのしんみ...

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