第559章

「小林絵里……おまえ、口より身体のほうが正直だな」

 小林絵里は目を閉じ、何も言わなかった。

 ――そうだ。

 彼女の身体は、坂田和也の挑発を拒みきれない。

 彼は彼女自身よりも、彼女の身体のことを知っている。そう思えるほどに。

 小林絵りは呼吸を一度詰まらせてから言った。

「坂田和也……わたし、仕事に行かないと」

 坂田和也は離す気などない。じわじわ赤くなっていく彼女の目尻を見て、目元の笑みをさらに濃くした。

「何を焦ってる。おまえ、タイムカード押す仕事じゃないだろ」

 言い終えるのと同時に、彼の指が落ちる。

 小林絵里の身体がびくりと震え、思わず唇を噛んだ。

 だが...

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