第595章

小林絵里「……」

  絵里はそのまま黙り込んだ。

  須藤星皓と松本桜に両側から畳みかけられ、抵抗する隙など一切ない。結局、うなずくしかなかった。

「わかった。じゃあ、明日」

  須藤星皓はぱっと顔を輝かせて笑った。瞳の奥に星でも宿したみたいで、見ているこちらの胸までふっと柔らかくなる。

  空は少しずつ色を失い、遠い空の橘色もじわじわ薄れていく。団地の灯りがぽつりぽつりと点きはじめ、向こうの方からは楽しげな笑い声が流れてきた。

  松本桜がふいに言う。

「なんかさ、私たち――家族三人みたいじゃない?」

  絵里は無表情のまま桜を一瞥し、それから須藤星皓に向き直った。

「こ...

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