第620章

小林絵里はぴたりと表情を止め、手を伸ばしてエレベーターのボタンを押しながら問いかけた。

「じゃあ、どうすればいいの?」

高川寒彦は少し考え込み、言った。

「……だったら、護衛をもう何人か付けようか?」

小林絵里は、屈強なボディガードたちに囲まれて街を歩く自分を想像して、思わず苦笑した。

「はあ……わたしだって好きでこんなことしてるわけじゃないんです。なのに、あのお嬢さま、どうしたのか急に病院で騒ぎ出して……同僚のお母さまを追い出すって言うんですよ。面識もないはずなのに、なんで急にそんな……」

高川寒彦は淡々と言う。

「なら考えたほうがいい。君の同僚を狙ってるのは誰だ。自分の手を...

ログインして続きを読む