第647章

「どうやって報復するの?」

 小林絵里は高橋雲を見つめた。その目は、どこか焦点が合っていない。

 高橋雲は唇の端をかすかに持ち上げ、バッグの中から親指ほどの小さなビニール袋を取り出した。中には錠剤が一粒。彼女はそれを小林絵りへ差し出す。

「これをあいつに飲ませれば、それで終わりよ。あなたが今まで味わってきたことも全部終わる。自由になれるの」

 小林絵りの視線が袋に落ちる。しばらく沈黙してから手を伸ばして受け取り、食い入るように見つめたまま尋ねた。

「坂田和也が飲んだら……どうなるの?」

 高橋雲は小さく笑う。

「しばらく意識を失うだけ。命に関わることはないわ。あなたも、刑務所の...

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