第655章

「はぁ……マジで価値観ぶっ壊された。あいつ、恥ってもんがないんじゃない?」

 小林絵里は虚ろな目で前を見つめたまま、返事もしなかった。

 まさか――坂田和也の切り札が、こんな形だなんて。

 DKグループを追い出されることすら気にしていないみたいに、のこのことこっちへ来て、わざわざ彼女の神経を逆撫でしてくる。

 いったい、何を考えてるの……?

 松本桜は反応のない絵里に、目の前でひらひらと手を振った。

「絵里?」

「……うん」

 小林絵里は我に返り、小さく頷く。

「たぶんだけど、これからしばらく――毎日顔合わせることになるわ」

 松本桜は泣きそうな顔になる。

「やだ、あん...

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