第687章

くそっ!

くそ、くそくそっ!

少し前まで、坂田和也が何食わぬ顔でここに住みつき、「全部おまえのせいで巻き込まれた」みたいな面をしていたのを思い出すだけで、腹の底からムカついてくる。

あの男……目的のためなら、本当に手段を選ばない。

裏では坂田グループの主導権を奪う算段をしていたくせに、彼女の前では追い出された可哀想な被害者を演じてみせたのだ。

許せない……!

小林絵里はクッションを拳で殴りつけ、ぐにゃりと歪ませた。

「どうしたの?」

ためらいがちに響いたのは、松本桜の声だった。

小林絵里は目を閉じ、すうっと息を吸ってから吐く。

「ただムカついてるだけ。発散してるの」

松...

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