第745章

坂田和也は彼女の顔をじっと見つめ、真剣な声で言った。

「小林絵里。ちゃんと考えてみろよ。お前、損してるか?」

小林絵里の表情が、ふっと固まる。

よく考えれば――たしかに、損ではないのかもしれない。

坂田和也は金も出すし、手も回す。しかも、寝る相手までしてくる。腕だって申し分なく、彼女が得られる快楽は大きい。

ベッドの上で少し時間を使うだけ。

それに、二人とも初めてじゃない。

迷う必要も、抵抗する必要もない――はずだ。

小林絵里は少し間を置いて言った。

「……考えさせてください」

坂田和也は小さくうなずく。

「決めたら言え」

小林絵里は何も答えず、背を向けてその場を離れ...

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